マネージャ・管理職の重要な役割の1つは、スタッフの生産性を最大限に引き出すことです。スタッフの能力を最大限に発揮させ、組織の成果につなげていくことは、マネジャーに課された大きな責務です。しかし、実際のマネジメントの現場では、スタッフの業務状況の把握や適切なタスク割り当てなど、現実はなかなかうまくいかないものです。
本記事では、スタッフの生産性を向上させるための効果的なタスク管理の方法について解説します。本記事がマネージャ・管理職として、スタッフの力を最大限に引き出すためのヒントを見つけられる手立てになると信じています。
タスク管理の3つの基本
①明確な目標を設定する
スタッフの生産性を上げるためには、まずは目標を明確に設定することが不可欠です。スタッフ一人ひとりに対して、SMART(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)の観点、つまり、具体的で測定可能、達成可能で組織や経営の目標に即しており、期限が明確な目標を設定し、その目標の達成に向けてどのようなタスクを遂行すべきかを共有することがとても重要です。
目標を明確にすることで達成すべきことと達成に向けたアクションがクリアになることで、スタッフの主体性と意欲が高まり、生産性向上につながリマス。
②タスクを可視化する
Todoリストの活用や、Excel、チケット管理ツール・プロジェクト管理ツールの導入などによって、スタッフ一人ひとりのタスク状況を把握し、全体の進捗状況を俯瞰的に確認できるようにすることが望ましいです。
タスクを可視化することにより、スタッフの作業負荷の偏りを早期に検知し、素早く対処することでリソースの適正配分、最適化を行うことができるようになります。
③優先度を管理・調整する
スタッフに割り当てられたタスクの中には、緊急性の高いものや重要度の高いものが必ずあります。タスクはアイゼンハワー・マトリクス方式※を活用して、タスクの重要度と緊急度を見極め、適切な優先順位付けを行うことで、スタッフのワークロードを適正に管理できるようになります。
【アイゼンハワー・マトリクス方式の解説】
タスクの優先順位付けや仕事量の管理に役立つシンプルなワークフローで、アイゼンハワーの法則、または緊急度重要度マトリックスとも呼ばれています。具体的には、タスクを4つの領域のいずれかに分類することでそのタスクの緊急度や適切な取り組み方を判断します。
- 第1領域:緊急かつ重要⇨すぐに完了すべきタスク
- 第2領域:重要だが緊急ではない⇨スケジュールに入れておくべきタスク
- 第3領域:緊急だが重要でない⇨他の人に委任すべきタスク
- 第4領域:緊急でもなく重要でもない⇨避けるべきタスク
上記のようにタスクを「重要度」と「緊急度」という観点から視覚化することで、最も重要なタスクを優先的に取り組み、可能な限り早く完了することがかなり容易になります。
上記において、「重要度」と「緊急度」の線引きをどう捉えるか、がポイントになります。基本的な考え方として、緊急のタスクは避けることができず、すぐに対応が必要なもの、重要なタスクは事前の計画が必要でそのタスクに取り組むことで長期的な目標に近づけるもの、となります。
スタッフの生産性を上げる具体的な方法
タスクを割り当てる: スタッフ一人ひとりのスキルや適性を把握し、その強みと弱みを理解した上で、スタッフの特性に合わせて、適切なタスクを割り当てることで、スタッフの生産性を効果的に向上させることができます。
例えば、論理的思考力の高いスタッフに対しては企画立案のタスク、細かな作業に長けているスタッフには定型業務、といった具合に、スタッフの特性に合わせたタスク割り当てを行います。また、ワークロードにも気を配り、スタッフの業務量が偏らないよう配慮することも忘れずに行う必要があります。
フィードバックを実施する:スタッフの業務遂行状況を定期的に確認し、適切なフィードバックを行うことも欠かせません。進捗状況の把握や目標達成度の確認、必要に応じてのアドバイスや支援の提供など、スタッフのモチベーションと生産性を高める働きかけを行いましょう。
スタッフ一人ひとりに合わせて、適切なフィードバックのタイミングや方法を検討することが大切です。定期的な面談だけでなく、日常的なコミュニケーションの中でも、スタッフの状況を観察し、把握することで、小さな変化や異常を検知することができるようになります。このような適宜アドバイスを行える環境を構築し、維持することが肝要です。
モチベーションをコントロールする:スタッフの生産性を上げるには、単にタスクを割り当てるだけでなく、スタッフのモチベーション向上にも取り組む必要があります。スタッフの成果を適切に評価し、成果に応じた適切な報酬を与えることが重要です。
また、スタッフの自主性を尊重し、できる限り自己決定の機会を設けることで、スタッフの主体性と生産性が高まリマス。マネージャ・管理職としては、スタッフ一人ひとりの状況を把握し、状況に応じてきめ細やかなモチベーション管理を行うことが求められます。
効果的なタスク管理の実践ポイント
コミュニケーション
スタッフの生産性を上げるためのタスク管理において、何よりも重要なのはコミュニケーションです。スタッフ一人ひとりとの対話を密に行い、お互いの考えや状況を共有することで、適切なタスク割り当てやフィードバックが可能になります。また、スタッフの意欲を引き出し、モチベーションの向上にもつながります。
柔軟性と状況に応じた対応
スタッフのタスク管理においては、画一的な管理ではなく、状況に応じた柔軟な対応が求められます。スタッフ一人ひとりの特性や業務状況は異なるため、管理方法も柔軟に変えていく必要があります。また、予期せぬ変化が発生した際にも、迅速に対応できるよう、常に状況を把握しておく必要があります。スタッフの生産性を最大限に引き出すためには、画一的なルールよりも、柔軟な判断力を発揮することが重要です。
継続的な改善と見直し
スタッフのタスク管理における取り組みは、継続的な改善と見直しが不可欠です。スタッフの生産性向上に向けた施策を実行しても、すぐに効果が表れるわけではありません。定期的に振り返りを行い、成果と課題を把握しながら、より効果的なアプローチを検討していく必要があります。マネージャ・管理職には、PDCAサイクルに基づいた継続的な改善と、スタッフの声に真摯に耳を傾ける姿勢が求められます。スタッフのニーズに合わせて、柔軟に施策を修正していくことが大切なのです。
まとめ
本記事では、スタッフの生産性を向上させるための効果的なタスク管理の方法について解説してきました。
具体的には、明確な目標設定、タスクの可視化、優先度の管理・調整といった基本的な取り組みから始め、さらに具体的な方策として、適切なタスク割り当て、フィードバックの実施、モチベーション向上などに取り組むことが必要です。
そして、これらの施策を実践する上で、コミュニケーション、状況に応じた柔軟な対応、継続的な改善と見直しといった点にも留意する必要があります。
マネージャ・管理職として、スタッフ一人ひとりの特性や状況を理解し、スタッフの生産性を最大限に引き出すためのタスク管理を継続的に実践することが大事です。スタッフの力を最大限に引き出し、発揮させ、組織全体の成果につなげていくことが、マネージャ・管理職の重要な責務と言えるでしょう。

